戦国 "Who am I ?"

入門編その4


 おお、次はわしの番か。わしは有名な武将じゃが、世間でのわしの評価はあまり芳しいものではないのう。愚痴になるかもしれんが、よろしくお付き合い下され。

 わしの前半生は、一般には良くわかっておらんのじゃが、とりあえず享禄の生まれとしておいて下され。さて、ここは入門編じゃで、広く知られているわしの後半生のほうを語ろうかの。わしは若いじぶんには色々苦労をしての、妻にもえろう迷惑を掛けてしもうたわい。
 ところで、わしの運が開けたのは越前に居候しておるときじゃった。やがてわしはあるお方に仕えることになってのう。言ってみれば「中途採用」なんじゃが、わしも身を粉にして頑張っての。とうとう一方の司令官を務めるまでになったのじゃ。しかし、主人殿がとんでもないお人での。いやこれは「出来が悪い」という意味ではなく、「常人離れした」という意味じゃが、とにかく無能な者は、たとえ譜代の重臣であっても次々と放り出されてのう・・・。

 わしにも色々な戦功やエピソードがあるのじゃが、スペースの都合でとても皆は語れんのでな、一つだけ話すことにするわい。それはわしが主人殿の命令で、朋輩の加勢として西方へ出陣となった際のことじゃった。この朋輩というのは素性の知れぬ成り上がり者じゃが、人たらしの名人での。あれよあれよという間に出世しよった奴じゃが、このときはもう家中で一、二を争う重臣じゃったのう。で、その際にな、なんと主人殿はわしの所領を皆取り上げてな。つまり戦働きによって切り取れというわけじゃ。何一つ落度らしいものもないのに、こんなことがあってよいのか? じゃからわしは決断したんじゃよ。もちろん巷では異説も色々と取り沙汰されておるがな。

 そしてその日がやってきた。わしは軍を率いて城を出た。で、暫く行くと分かれ道にでくわしてな。わしはもう迷わず朋輩殿の加勢に行く方向とは逆の、つまり主人殿の宿泊先へと向かったわい。その後どうなったかは誰もが知っておる。ただ、しかと首を取れなんだのが心残りじゃったが、とにかく主人殿は炎の中に消え去ったでな。まずは成功したんじゃ。しかし、思わぬ展開になってしもうてのう。
 というのも、今で言うと200kmほども離れた場所で、しかも大大名家相手に釘付けになっとるはずの朋輩殿が、十日ほどのうちに引き返して来おっての。あれには面食らったわい。後は歴史の通りじゃ。わしは朋輩殿に敗れての、引き上げる最中に名もない土民の槍にかかってしもうたわ。こうしてわしは世を去ったのじゃが、実は逃げ延びてさる人物の黒幕になったとか、世間は色々と取り沙汰しよってのう。よう考えつくもんじゃと感心しておるぞ。

 おや、もう終わりか。では入門編ということで大サービスじゃ。わしは「キンカ頭」、後のガラシャの親父じゃよ。ではまたの。


☆さて、この武将は誰でしょう? わかった方は下で照合してみて下さい。

※入力欄 (全角漢字で官称は使わず、姓名のみ記入して下さい)
※入力後、下の「照合する」ボタンをクリックして下さい。

  



戦国 "Who am I ?" INDEX