戦国 "Who am I ?"

本編その5


 おお、本編五番手、クリーンアップトリオのトリじゃな。よしよし、では語って聞かせようかのう。よろしくお付き合いくだされい。

 わしは四男に生まれたが、生まれ年にちなんで幼名を付けられての。何、その名前か? それはまだ秘密じゃ。これを言うと先にわかってしまうでな。ま、それほど幼名も知られておるということじゃよ。
 わしは十四の時にさるお方に仕えてな、十六で初陣を迎えたのじゃが、ちゃんと敵の首を取ってきたぞ。そして小姓組に入ったのじゃが、弘治年間のとある戦の折りに負傷しての。あれは危ないところじゃった。右目の下を矢で射られたんじゃが、あわや失明するところじゃったぞ。一説にわしは片目だとする説もあるようじゃが、ほれ、ちゃんと見えておるぞ。ちと見にくいがな。

 さて、その後ほどなくわしは主家を追い出されたんじゃ。これはな、同朋衆のあるやつが盗みを働きおっての、わしは頭に来てそやつを斬り捨てたのじゃが、運の悪いことにそやつは御屋形様のお気に入りだったもんでの。えろう叱られてお暇を、ということになってしもうたんじゃ。
 それからちと苦労したがの、たまたまほどなく、のるかそるかの戦があってな。御屋形様の軍勢は小勢、敵は大軍。当時敵大将は「海道一の弓取り」とか呼ばれてはおったが、お歯黒なぞつけとる弓取りは珍しかろうて。でな、わしはそこへ駈けつけてめいっぱい働いたんじゃ。そして次の戦いでは「首取り云々」とか異名を持つ剛の者を討ち取ってな。それでやっと帰参が叶うたんじゃよ。それでな、永禄七年には先鋒を任せてもらえるようになっての、あの時は嬉しかったもんじゃわい。

 そうこうするうちに御屋形様も大身の大名となっての、わしは北方面へ差し向けられたんじゃが、いやはや百姓相手の戦には疲れたぞな。あ、そうそう、わしがまだ長屋住まいをしておった頃のこと、隣にくしゃくしゃで愛嬌のある顔立ちではあるが、なかなかの切れ者が住んでおったのじゃが、まさかそやつがああまでなるとは夢にも思わなかったわい。家内共々仲良うしておった友垣じゃが、そやつなどと言うては罰が当たるのう。そのご仁のお陰で、このような大身にしていただけたのじゃからな。

 わしは天下の大戦の前年に世を去ったのじゃが、もう少し生きておられたらのう、あやつはきっとわしが押さえてやったろうに。案の定あやつめ、わしの友垣の息子の代で、その家を根こそぎ滅ぼしおった。わしは後見役をしかと頼まれておったのじゃが、そこまで生きられなんだわ。
 あ、そうそう。いつぞやの戦いでわしが戦線離脱したがために、瓶割り殿を死なせてしもうてな。ただ、あれは先の友垣殿との間に黙契があったんじゃよ。いつそんなことしたかって? もう時効じゃから話しても良いかのう、瓶割り殿に頼まれて、彦三・五郎八と友垣殿のもとに使いに赴いたときじゃよ。

 何、もう終わりかや。では恒例の最終ヒントじゃ。わしは昔「お犬」と呼ばれておったがや。うわっはっは。


☆さて、この武将は誰でしょう? わかった方は下で照合してみて下さい。

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