戦国 "Who am I ?"

本編その7


 ふむ、このあたりで真打ちの登場じゃの。言うておくが、書物をひもとかずに当ててみるんじゃぞ。それでは始めようか。

 まず初めに断っておくが、わしは大名ではないぞ。ん、それならわからんだと? いやいや、わしは少し変わった武将じゃが、広く知られておる。ただ、その知られておる内容はちと事実とは異なるようなんじゃが・・・。ま、別に文句を言うわけではないがな。
 わしは、天文年間中盤に現在の愛知県で生まれた。と言うても、親父殿はもともとこの地に根付いていたわけではなく、この地に流れてきたんじゃよ。そしてわしは、同郷で同い年のさる有名なお方のもとで後年活躍することになるんじゃ。わかる人にはもうこれだけでわかってしまうじゃろう。

 親父殿は苦労をされたお人でな。国元で少し一族というか、広い意味での同族の間でもめ事が起きて、国を出なさったんじゃよ。親父殿はその後京へ上って将軍様にお仕えしたそうなんじゃが、給金がもらえんでの。困っておったときに、御屋形様のじじ様にお声をかけていただいてのう。それで親父殿は国から百五十人ばかり引き連れて移り住んだのじゃよ。そしてそこでわしが生まれることになる。
 わしの初陣は十六の頃じゃったかな、国内のある城に攻めかかったんじゃが、ちょいと夜に忍び込んで火を付けてやっただけなんじゃが、敵はえろうあわておっての。お陰でやすやすと勝つことが出来たわい。わしにしてみればあんなことは朝飯前、手柄でも何でもないがの。

 ただ「鬼」と呼ばれたさすがのわしも、どうしてもできん仕事もあったぞな。天正七年じゃったか、若様に謀反の嫌疑が掛かっての、御屋形様の盟友殿から腹を切らせよとのきついお達しがあってな、なんと、このわしが介錯役を命じられたんじゃよ。罪があろうとなかろうと、若様の首なぞわしには絶対討てやせん。畏れ多くて刀が震えてしもうてな、おいたわしゅうて涙も止まらんし、どうしても刀を振り下ろせなんだ。見るに見かねて、代わりに同行した朋輩が若様の介錯をして差し上げたんじゃが、そやつもいたたまれなくなったかしてのう、のちに逐電してしもうたわい。
 巷ではわしを何か妖術使いのように言うておるが、実体はそうではないぞ。れっきとした侍じゃ。それ、その証拠に具足姿で「十六将図」に描かれておるじゃろう? わしは槍遣いじゃ。水の上を歩いたり急に消えたりはせんぞ。ま、それに近いことは多々やったがのう、わっはっは。

 何だ、もう終わりか。ではもう一つだけヒントじゃ。わしの亡き後、いや、今でもじゃが、やんごとなきお方のおわすお城の門には、わしの名が残されておる。ふう、ちと疲れたわい。ではまたの。


☆さて、この武将は誰でしょう? わかった方は下で照合してみて下さい。

※入力欄 (全角漢字で官称は使わず、姓名のみ記入して下さい)
※入力後、下の「照合する」ボタンをクリックして下さい。

  



戦国 "Who am I ?" INDEX