白子浜
(三重県鈴鹿市江島本町)
現在の白子浜(北向き)

現在の白子浜(南向き) 白子浜(しろこはま)

 上の写真は北方向を、右の写真は南方向を向いてそれぞれ撮影した、現在の白子浜である。ようやくここ白子浜に到着した家康は、ここで今までの道中護衛を務めた伊賀・甲賀衆に暇を告げ、ここから海路三河を目指して出航した。出航地としてはもう少し北の若松説、ずっと北の四日市説などもあるが、この稿では定説(?)の、ここ白子浜からとさせていただく。

 白子浜は遠浅で、後の記録だが、千石船などは沖に停泊したという。また白子は染色用の白子型紙(伊勢型紙)の産地として、全国的に有名である。

 ただ、出港地をここ白子とするのはともかく、問題は上陸地点である。大半の資料は三河大浜となっているのだが、現在の地図で確認すると、白子から海路最短コースを通っても、三河大浜(現愛知県碧南市浜寺町付近)まで海上約64km、ほぼ十六里あるのである。
 この稿では、あえて上陸地点は知多半島常滑とさせていただく。ここなら海路直線距離で約22.5km、六里弱である。理由は次項以下に述べる。

 一行は伊勢湾へと出航していった。



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